有限無限

雑感、書評、セラピーの事、そして時々工学技術的なことなど…

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農業活動にみる善悪の彼岸

 

農業を描いた懐かしのドラマ~北の国から~

 

以前『北の国から』という、結構人気のドラマがありました。
地井武男、田中邦衛、岩城滉一さんなどがでてくる北海道富良野を舞台にした、
ヒューマンドラマでした。

主人公である純や蛍の幼いころから、頼れる兄貴的存在だった、岩城滉一さん演じる草太兄ちゃんが死んでしまう回で印象深いシーンがありました。

あの回で起こったエピソード:

チンタの兄は、五郎の影響で、有機農業を始める。
体に安全で健康な野菜を栽培し、消費者に届けると夢を持って仕事に取り組む若手農家の若者。
しかし後に、その畑で疫病を発生させてしまい、草太に農薬を撒かれたことで自殺未遂をする。
そして、離農して富良野から出て行った。

草太兄ちゃんは、これからの時代は野菜にも規格があって土がついたり虫が付いていると汚いと消費者や仲買業者に買いたたかれる。だから合理化を進めて労働集約型の農家を目指す、つまり事業規模拡大を目指したかった。
自分の畑のみならず、その有機農家の畑まで農薬をトラクターで散布するのでした。


視聴者はそのシーンをみて、どう考えても農薬撒いちゃう草太さんに酷いイメージを持ったでしょう。


現地の人たちの意見:

時が流れて数年、青森や北海道で農家にかかわる知人友人にそのドラマについて意見を聞く機会があったんです。

彼らは口をそろえて言いました。
『北の国からの草太の農薬を撒く行動は、必ずしも全て間違っているわけではないと思う』 と。
『無農薬で有機農業をしていきたい、安全なことは分かってるしできるならそうしたい。しかし、経済的に生きていく農業をする上で、”農薬は必要悪”なんだと。農薬そのものは良くないが、労働集約を求めるならそれも不可避なんだ。』と。。。。