その後大きな出来事もなく、日々平穏に過ぎていったかのような光太郎であった。
ある日出勤していて、ふと考えたことがあった。
毎朝定刻に間に合うように電車に乗り、定時を過ぎれば帰宅、もしくは残業。
なんで??
この働き方はなんで??
世の中にはもっと自由に自分の時間を配分して働く人がたくさんいる。
もっと言えば、不労所得を得て悠々自適な人なんてサラリーマンライフとは一切無縁
なわけで。
この働き方はどこから来るの??
多分、先輩や同僚に聞いても納得いくような答えは返ってこないだろう。
それはいつも長い時間彼らと一緒に過ごしているのだから、わかり過ぎるほどわかっている。
”会社ってそういうもんちゃうの??”
”それが就業規則だから。”
という趣旨の回答が言葉を変えてくるはずだ。
そもそも会社っていつからできたんだ?
金剛組という会社が聖徳太子の時代から存在することは
以前から知っていたが、ネットで検索すると日本に3つもあるという。
よくよく考えたら、どうしてそういう取決めになってるの??
一人でも価値を生み出すことはできるはず。
仮にそれが大企業のように大きな影響力を持たなくても、
価値というのは存在するはず。
例えば、汚い部屋を掃除するということは周囲に清潔な環境を提供するという価値がある。
もちろん、企業で働くのも当然、いろんな価値の創造がある。
その中において、定時に来るっていうのはどんな価値があるんだ?
そもそも価値を生み出すために人って雇われてるんだ?
誰がゲームのルールをつくるの???
”みんな、会社に行くことに全くの疑問を持たずに行ってるのだろうか?”
何かしらの疑問を感じないんだろうか・・・
光太郎はそんなことを思いつつも、誰がこの就業ルールを作ってるんだ?と考えるようになった。