日々学び、数年がたった。
組織に所属して、不都合なことも散見した。
不祥事とまでいわないが、そんな作り方して利益率がはたしてあがるのか? とか、
従業員総出で無駄な作業、例えば、ただ穴を掘って埋めるだけのような仕事を見かけたり、やらされたりしたことがあった。
しかし、そんなことがあっても定期的に従業員に対して給料が入る。
よく言えば従業員に経済的な不安を与えない、守られている感があるのだが、悪く言えば、時間をかけて経営者意識や金銭意識を鈍らせるのではないかという疑問をぬぐえなかった。
新人の頃、
”会社は製品に対してお客様が払ってくれたお金によって動いており、
そのお金が給料になっている。。。”と訓されたが、数年働き、気付くと
それが当たり前の感覚にもなる部分と、ぬぐいきれない部分が心の中にあり、
なんだかしっくりこない感触がつよかった。
そして事件が起こった。
光太郎がいつものように仕事で生産勤務していると、思うように設備が動かない。
製造業において設備、つまり物を作る機械の調子が悪いということは、そのまま
品質や納期、あるいは、不良品を作るリスクという意味でコストにも直結してしまう。
そして、それは断続的に生じるのだが、根本対策はなされておらず、暫定的な対応をしながらの生産であった。(当然、すぐに壊れるわけだ)
あまりにも理不尽な仕事の仕方、させ方に光太郎は設備を作った先輩に、上手く生産ができないことを言ったのだった。
しかし、、、運悪く、先輩の機嫌が悪かったのだ。
機嫌が悪いというよりも、了見の狭い先輩にあたったということが運悪かったのだった・・・
つづく・・・