幸せって測定できたらいいと思ったことありませんか?
仮に、とある仕事があったとして、それをやる人がいたとします。
同じ仕事を2人にやらせたとして、
Aさんは、それをするのが毎日楽しくて仕方ない。
しかし、Bさんは、もう苦痛で苦痛で仕方ない。
”でも、仕事だからね” とか言ってやってるわけですよ。
こんな時、幸せって測れたらいいよなって思うんですよね。
やりたいことをやってる時、その結果も当人もベストパフォーマンスが出るわけですから。やらせる側もやる側も実に気持ちよく仕事ができるわけです。
そんなことをふと考えている折、とても面白い本に出会った。
最近の新刊で書店に並んでいました。
amazonでみたら結構売れているようだ。
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
- 作者: 矢野和男
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2014/07/17
- メディア: 単行本
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深淵さを感じる青い表紙に、科学的アプローチを常とする人らしく、
イントロダクションから論文口調で非常に客観的な文章。
一章は時間を測ることについて、人の行動や時間の使い方について書かれていた。
この章だけでも面白い。時間の使い方は、、、なんと、意思を用いても自由にならないのだ!!この理由や根拠が記されている。そして、人間行動も物理学の法則にのっとる部分があるというのだ。
これだけでもなかなか読みごたえと、新たな知見なんだなと思わせてくれる本であったが、なんと、第二章はハピネスを測る ことについて書かれていた。
重要な発見は、ハピネスと身体活動の総量との関係が強い相関を示しているということ。つまり、人の内面深くにあると思われていたハピネスが、実は、身体的な活動量という外部に見える量として計測されたことになる。したがって、ハピネスは加速度センサによって測れるのである。
え!! なんて??
今、、、何て書いた!!!???
もう一度言おう。幸せは加速度センサで測れる。
w(゚o゚)w ゲェッッ!!
立ち読みレベルでパラパラとみていたのですが、その一節をもう一度じっくりと読み直してしまいました。
加速度センサというと聞こえ馴染みがないのかもしれませんが、要するに、
最近よく腕に着けるJawboneUpなどのブレスレット型のウェアラブルセンサですよ。
比較的ありふれた道具で幸せがそんな簡単に測定できるんか!?
マジかよ、あれで分かるのかよ。ってびっくりしてしまいました。
もちろん、動きの少ない仕事をする人や、生来ゆっくりとした動きの人はいます。
だから、この測定の話も、一般性を持たすにはまだまだじゃないかな、、と思うし、一面的な捉え方なのかもしれないと私は思いますが、それでも個人を相対比較して、幸せな時と不幸を感じている時で測定すれば、違いは出るだろうと思います。
かりにそうであったとしてもこの発見は素晴らしいと思いました。
そして、
・人間行動の方程式を求めて
・運と真面目に向き合う
・経済を動かす新しい”見えざる手”
・社会と人生の科学がもたらすもの
と全部で6章の構成になっているのですが、データサイエンスというのは統計学のアプローチも重要だけど、それを物理学的な切り口で分析検討、結論付けている著者の考え方には非常に膝をうつ部分あります。
もちろん、これが完全に包括的な結論ではないのだろうと思いますが、ここまで導き出した本って今までなかったと思います。
これはかなりオススメです。