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区別・分類という名のメタ技術

http://www.flickr.com/photos/67951361@N00/20972113

photo by Geoff Coupe

 

人生の中で区別、分類といった概念はとても密接なものです。
それは決して難しくて稀有なものでなく、ごく身近なものです。

たとえば、仕事で技術概念の分類、書類分け、顧客タイプ別のカテゴリー分けなど色々とあるでしょうし、パソコンでフォルダにデータを入れる時もそうだし、ネットのブックマークだってそう、、、もっと一般的に言えば、台所で調味料を分けて収納したり、タンスに衣服や下着を分けて収納するなど、我々の生活や考え方には分類という考え方が共通して存在しているのです。図書館の分類なんかまさにそうですよね。

 

この分類という考え方は、法則もなく個人個人が好き勝手にやっているのですが、
ネットで調べてもわかるように経験則があるだけで、確立した黄金律がないのが現実です。

 

分類学という学問もあるようで、色々と研究されているようです。


■ある情報や概念が、必ずしも一つの目的のために存在するわけではない。

おっと、先に中間結論を言ってしまいました。

あなたは何か発見や情報を得たとしましょう。
それは何か目的があって知り得たものかもしれませんが、それが別の目的で役に立ったという事例はよくあることです。

このように情報や概念というのは多用途に考えられて普通なのです。

 

変な例えで申し訳ないですが、
心臓病に効く薬を作る目的でやってて発見したのは、実はEDに効く薬だった。
有名なあの薬、バイアグラのことですよ。
このように、一つの情報が別の目的に使われるなんてことは普通にあるんです。

こんな現象は、多様にあります。

 

■分類はできるの??

じゃぁ、その情報を分類できるのかってことですが、結論から言えば、出来る場合とできない場合があると思います。

情報の用途が確定していて、単一目的でアウトプットされるような情報を用いるときは分類しやすいです。

 

しかし一般的に言って、貴重な概念や情報が一つの目的でつかわれるはずもなく、
アウトプット対象が複雑になって行けば行くほど、分類はできないものです。

 

もちろん機械的に無機質に強引にやれ!って言われればできますよ。
でも、それをやって何になるのか?

自分自身の思考整理をする目的でやったとしたら、ただグルグルと同じ思考のループになるでしょうし、人に対して説明目的のためにやるのならば、ただ言葉を重ねるだけで相手に伝わらない状況を招いてしまうわけで、言葉だけこねくり回してるだけの行為です。

■結論は?

だからと言って分類すんなって言うのではなく、
むしろ分類とうまく付き合うべきといいたいのです。


特に現代は情報とうまく付き合っていかなければいけない時代ですから、
人は情報を分類したがったり、区別したい傾向があります。

分類はすべきですが、自分なりの情報整理手法を見つけるべきです。

 

また現代はガチガチの論理で説明がつく部分もありますが、まだまだ理論解明されていない事がたくさんあります。
例えば瞑想やセラピーなどは、未だ解明され尽していない抽象的な概念ですが、
人々にとって有意な事実はあるわけです。
しかし、それを強引に言語化して分類分けしたり、説明しようとする行為は、大概つまんないか、失敗するのがオチです。

結局のところ、情報の分類手法というのは個人個人で試行錯誤し自分に見合った手法を自分で構築していくべきです。

 

エバーノートやドロップボックスなど便利な情報ツールが存在しますが、
フォルダの分類方法やタグのつけ方に関するノウハウを書いた記事が多様に存在するのは、見方を変えれば、情報整理手法は多様で確立されていないものだから自分なりのノウハウを紹介できるってことなんですよ。

 

ツールは便利だけど、使い方は自分たちで考えてくださいね~ ってことなのに、
ツールさえ持てばできると思っている人、、そこを勘違いしている人が実に多い。

 

あるいは分類や区別さえできれば良いと勘違いしている人もいる。
大事なのは分類できた後に得られる成果物であって、分類結果ではない。

こんな感じの、”この人、残念ね。” って思う人、、、みなさんの周囲にいませんか?

 

 

 

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